やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2024/05/21
月次減税の対象者に育児休業者は含まれるか

[相談]

 私は会社で給与計算を担当しています。
 今年(令和6年)実施される所得税の定額減税(月次減税)については、令和6年6月1日現在で当社に勤務している従業員のうち、当社に扶養控除等申告書を提出している居住者である従業員のみがその対象となると理解しております。
 そこでお聞きしたいのですが、育児休業中の従業員(育児休業期間中は無給)で、令和6年7月1日に職場復帰予定の従業員については、どのような取扱いとなるのでしょうか。教えてください。

[回答]

 ご相談の従業員については、定額減税(月次減税)の対象者に含まれることとなります。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.令和6年に実施される所得税の定額減税の概要

 令和6年分の所得税については、定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されます。

 具体的には、居住者(※1)の所得税額から、原則として、下記の特別控除の額を控除するとされています。

  • @本人:3万円
  • A同一生計配偶者又は扶養親族(いずれも居住者に該当する人に限ります):1人につき3万円

※1 居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。

2.給与所得に係る所得税の定額減税(月次減税)の実施時期

 扶養控除等申告書を提出している給与所得者(いわゆる甲欄適用者)については、その主たる給与の支払者のもとで、令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等(賞与を含む)に係る源泉徴収税額から、定額減税による所得税額の控除を受けることとされています(月次減税※2)。

※2 令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等(賞与を含む)に係る源泉徴収税額から控除しきれない部分の金額については、以後、令和6年中に支払う給与等に係る控除前税額から定額減税額を順次控除することとされています。

3.月次減税の対象となる「基準日在職者」とは

 上記2.の月次減税の対象者は、令和6年6月1日現在、給与の支払者のもとで勤務している人のうち、給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者の人(その給与の支払者に扶養控除等申告書を提出している居住者の人)とされています。

4.休職中の従業員の取扱い

 上記3.の基準日在職者に休職中の従業員が含まれるかどうかについて、国税庁は、「休職扱いとされている従業員が、令和6年6月1日現在においてその給与の支払者から実際に給与の支払を受けていない状況にあるとしても、同日現在その支払者の従業員としての身分があり、かつ、その支払者に扶養控除等申告書を提出している限り基準日在職者に該当する」という取扱いを公表しています。

 また、上記のような従業員については、その復職後実際に支払われる令和6年分の給与から月次減税額の控除を受ける(=月次減税の対象となる)とされています。

 したがって、今回のご相談の従業員については、定額減税(月次減税)の対象者に含まれるとともに、復職後実際に支払われる令和6年分の給与から月次減税額の控除を受けることとなります。

[参考]
所法2、改正措法41の3の3、41の3の7、国税庁「令和6年分所得税の定額減税Q&A」(令和6年4月11日改訂)など

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